強迫性障害について

 皆さんは、「ドアの鍵を閉めたかどうか確かめないと気が済まなくなり、ドアノブをガチャガチャしつこく何度も回してみた」「明日の予定をメモした紙を、何回も確認しないと不安で仕方ない」「何度手を洗っても洗っても落ちていない気がして、手洗いという行為を繰り返し続けてしまう」というようなことを今まで経験したことはないでしょうか?

 実際に、このような経験をして、自分の頭が変になってしまったのかなと思い悩んだり、そのことを恥ずかしいことだと思って隠して、人に打ち明けられずに一人で苦しんでいたりする方々がいます。
 このような症状を、精神医学では『強迫性障害』と呼んでいますが、なかなか周囲の人の理解が得られないために、孤独の中で苦しまなくてはならないわけです。

 治療方法としては、精神薬や行動認知療法によるものなどがありますが、これらの患者さんの場合、通常の生活を送る上で些細な事柄にまで多くの困難を伴いますので、生活と治療の両立がとても難しく、挫折しやすい事実があります。
 従いまして、周囲の人の適切なサポートが必要になってくるわけです。